【徹底比較】企業向け社内ChatGPTサービスおすすめ5選!
ChatGPTを社内業務の効率化のために導入・活用する日本企業が急速に増えています。
2023年7月には、マイクロソフト(米)が、企業向けに業務用AIチャット「Bing Chat Enterprise」を発表するなど、企業向けの社内ChatGPTサービスが盛り上がりを見せています。
そこで、本記事では社内ChatGPTサービス導入で得られるメリット・デメリットや、サービス選定のポイントを紹介のうえ、厳選しておすすめするサービス5選を徹底比較します。
この記事を読めば自社に合った社内ChatGPTサービスを見つけられるでしょう。
目次
企業向け社内ChatGPTサービスとは?
OpenAIの提供するChatGPTは個人向けプランのみで、法人向けプランは存在しません。
また、ChatGPTには、チャットに入力した情報がOpenAIの学習に活用されてしまい入力情報が第三者に渡ってしまう情報漏えいリスクがあります。
このため、個人向けのChatGPTを業務用途で活用するには情報セキュリティ的にリスクが大きいため、情報セキュリティ対策を施して企業向けプランとして提供されているのが、企業向け社内ChatGPTサービスです。
企業向け社内ChatGPTで何ができる?
社内ChatGPTサービスを導入・活用することで、次のような社内業務をAIによって自動化・アシストすることで業務効率を大きくアップすることが可能です。
・社内文書・マニュアルの作成
・メール作成
・提案資料の作成
・ブログ記事の作成
・長文の要約
・翻訳
・文章の校正・添削
・ExcelのVBA・関数サポート
・FAQの作成
・社内問い合わせ対応
・プログラミングコードの生成
例えば、ChatGPTを試験導入した横須賀市では、文書の作成にかかる時間を年間2万2700時間短縮できる可能性があるとしています。
参考:ChatGPT 横須賀市が試験運用1か月 成果や課題は?【詳しく】
https://www.nhk.or.jp/shutoken/yokohama/article/013/50/
企業向け社内ChatGPTのメリット
企業向けChatGPTサービスの導入で得られるメリットは以下の通りです。
・ChatGPTの活用で業務時間を大幅に削減できる
・セキュリティ対策された環境でChatGPTを利用できる
・ChatGPTにはない独自機能やサポートが得られる
社内ChatGPTサービス導入の最大のメリットは、上述の通り上手く活用することで業務効率を大幅にアップできることです。
また、社内ChatGPTサービスなら、ChatGPTの最大の欠点である情報漏えいリスクを対策したセキュアな環境でChatGPTを利用でき、さらには個人向けChatGPTにはないプロンプトサポート機能やヘルプデスクなどのサポート機能が付加されていることがあるのもメリットです。
企業向け社内ChatGPTのデメリット
企業向けChatGPTサービスのデメリットは以下の通りです。
・コストが発生する
・使いこなせないと無駄に終わる
・ChatGPTが誤った回答をすることがある
社内ChatGPTサービスは、導入しただけで業務効率化などの効果がでるわけではありません。
自社のどのような業務で社内ChatGPTを活用して業務を効率化するかなど、目的意識をもって導入・活用することが重要です。
また、ChatGPTは完全ではありません。ChatGPTは誤った回答をすることがあるので、利用者(社員)がChatGPTの回答結果を鵜呑みにせず必ず確認するなどの社内利用ルールを設定することも重要です。
企業向け社内ChatGPTサービスの選定ポイント
企業向け社内ChatGPTサービスにはそれぞれ機能、料金プラン、サポート面で違いがあります。
本項目では、社内ChatGPTサービスの選定で必ず確認すべき重要なポイントを5つ紹介します。
ぜひサービス選びの参考にしてみてください。
➀セキュリティ対策は万全か
➁料金プラン
③サポート体制は充実しているか
④日本語対応しているか
⑤プロンプトサポート機能があるか
➀ セキュリティ対策は万全か
企業向け社内ChatGPTサービスにとってセキュリティ対策は最も重要なポイントです。
特に、次の2点が対策されているかを確認しましょう。
・チャットへの入出力情報がOpenAIに学習されない(情報漏えいしないか)
・個人情報・機密情報の入力を制限できるか
➁ 料金プラン
社内ChatGPTサービスは、価格・料金プランが各社によって大きく異なります。
社内ChatGPTサービスの選定においては、価格面を比較検討しましょう。
具体的には、次の4点を確認しましょう。
・初期導入費用
・基本利用料金(企業単位、月)
・ユーザー利用料金(ユーザー単位、月)
・無料プランがあるか
一部サービスでは、公式サイトにはユーザー利用料金しか掲載していないにも関わらず、実は初期導入費用や基本利用料金が別途課金されるようなケースも存在しますので、初期導入費用や基本利用料金も必ず確認するようにしましょう。
また、一部サービスでは無料プランが提供されているので、まずは無料プランから試しに利用してみるのもよいでしょう。
③ サポート体制は充実しているか
社内ChatGPTサービスを導入してみても、活用していく中で出てくる疑問や悩みごとを解決できずに、そのまま放置してしまい上手に活用できないケースが多くあります。
ChatGPTの活用方法などに関して生じる疑問や困りごとなどを気軽に相談できるヘルプデスクがあるかなど、導入後のサポート体制はサービス選定において重要なポイントです。
サービスによって、ヘルプデスクなどのサポート有無に大きく違いがあるので必ず確認するようにしましょう。
特に、社内にエンジニアやAIに詳しい人材が不足している中小企業やベンチャー企業の場合は、社内で問題を解決することが難しいので、ヘルプデスクの有無を重視することをおすすめします。
④ 日本語対応しているか
ChatGPTは海外のサービスのため、ユーザーインターフェースは英語となっています。
英語が苦手な人にとっては、英語というだけで心理的ハードルが高く利用が遠のいてしまうことが多くあります。
せっかく導入したサービスを(英語が苦手な)多くの社員の方に使ってもらうためにも、日本語対応しているサービスかどうか、というのは実は重要なポイントです。
⑤ プロンプトサポート機能があるか
各社それぞれが、独自の機能やサービスを提供しているケースがあります。
代表的なものでは、ChatGPTへの指示(プロンプト)をサポートする機能です。
プロンプトとは、ChatGPTへの指示(質問)する文章のことですが、プロンプトの内容によってChatGPTの回答精度が大きく異なります。
そこで、初心者でもChatGPTの回答精度を高める良質なプロンプト作成をサポートする機能を各社が独自に提供しているケースがあります。
サービスによって、プロンプトテンプレート・プロンプトレシピ・プロンプトアシストなどと呼ばれており、当該機能の有無はサービスによって異なりますので確認するようにしましょう。
おすすめの社内ChatGPTサービス5選
では、プロが厳選するおすすめの社内ChatGPTサービス5選をご紹介します。
きっとこの5つの中から自社に合った社内ChatGPTサービスを見つけられるでしょう。
1. 法人AIクラウド
公式サイト:https://www.goatman.co.jp/service/aicloud-lp1/
法人AIクラウドは、生成AIに特化したスタートアップ企業のゴートマンが提供する社内ChatGPTサービスで、今回ご紹介するサービスの中で唯一、期間無制限の無料プラン(※)が提供されています。
(※)マイクロソフトのBing Chat Enterpriseも、マイクロソフトの一部有料プラン利用者限定で、プレビュー版を無料で利用可能です。
対人によるサポート機能が充実していて、無料プラン以外の料金プランも最もお手頃なのが特長です。
現時点では事前登録中ですが、既に70社もの事前登録があります。
中小企業やスタートアップ・ベンチャー企業でも導入しやすいプランが用意されています。
メリット
・無料プランがある
・OpenAiの学習に活用されない自社専用環境でセキュリティ万全
・個人情報・機密情報の入力制限機能を搭載
・プロンプトアシスト機能がある
・導入・セットアップは丸投げOK
・ヘルプデスクによるサポート充実
デメリット
・まだ事前登録中ですぐには利用できない
・利用者(社員)の利用状況を監視するダッシュボードがない
機能 | ChatGPTの性能 | GPT-4 |
OpenAIの学習に利用されないか | 〇 | |
個人情報・機密情報の入力制限機能 | 〇 | |
日本語対応 | 〇 | |
プロンプトサポート機能 | 〇 | |
サポート | 〇 | |
価格 | 初期費用 | 無料 |
月額基本利用料 | 無料~ | |
ユーザー利用料金/月 | 無料~ |
こんな企業におすすめ
・中小~中堅企業、ベンチャー・スタートアップ企業
・無料プラン(期間無制限)を使いたい
・充実の機能を業界最安値の料金プランで利用したい
・ヘルプデスクなどのサポート体制も重視
2. 法人GAI
法人GAIは、DXサービスを展開するギブリー社が提供する社内ChatGPTサービスです。
セキュリティ対策が万全で、プロンプトテンプレート機能なども充実しておりバランスの取れた社内ChatGPTサービスです。
ダイドードリンコや東北大学などでの導入実績があります。
1社あたりの最低利用人数の制限があり、主に大企業や官公庁向けのサービスのようです。
メリット
・入力情報がOpenAIの学習に活用されないためセキュリティ万全
・自社専用環境で、従業員は個人アカウントを作成しなくてもOK
・100個以上のプロンプトテンプレートが用意されている
・個人情報の入力検知機能・マスキング機能搭載
・ダッシュボードで利用状況を分析可能
デメリット
・料金は他社サービスに比べやや高め
・ヘルプデスクなど導入後のサポート体制はあまり充実していないようです
機能 | ChatGPTの性能 | GPT-4 |
OpenAIの学習に利用されないか | 〇 | |
個人情報・機密情報の入力制限機能 | 〇 | |
日本語対応 | 〇 | |
プロンプトサポート機能 | 〇 | |
サポート | × | |
価格 | 初期費用 | 10万円 |
月額基本利用料 | 5万円 | |
ユーザー利用料金/月 | 1,000円 |
こんな企業におすすめ
・大企業や官公庁
・充実のプロンプトテンプレートを使いたい
・価格よりも充実した機能を重視
・ヘルプデスクなどのサポート体制は不要
3. ChatMee
AIスタートアップのAVILEN社が提供する社内ChatGPTサービスです。
機能的には他社サービスと概ね同様ですが、ChatGPT活用講座の提供などサポート面が充実しています。
ただし、料金プランが一切開示されておらず不透明です。
主に大企業や官公庁向けのサービスのようです。
メリット
・入力情報がOpenAIの学習に活用されないためセキュリティ万全
・専用サーバを構築し、セキュアな通信環境を構築
・社員の利用状況(データ・ログ)を監視可能
・プロンプトテンプレートとプロンプト共有機能
・ChatGPT活用講座の提供
デメリット
・料金プランが一切開示されておらず不透明
・個人情報・機密情報の入力を制限する機能がない
機能 | ChatGPTの性能 | GPT-4 |
OpenAIの学習に利用されないか | 〇 | |
個人情報・機密情報の入力制限機能 | × | |
日本語対応 | 〇 | |
プロンプトサポート機能 | 〇 | |
サポート | 〇 | |
価格 | 初期費用 | 不明(非公開) |
月額基本利用料 | 不明(非公開) | |
ユーザー利用料金/月 | 不明(非公開) |
こんな企業におすすめ
・大企業や官公庁
・ChatGPT活用講座などのサポートを重視
4. Crew
マネックスグループのクラフター社が提供する社内ChatGPTサービスです。
機能が充実していてバランスが取れたサービスですが、料金プランが詳しく開示されておらず不透明です。
グループのマネックス証券が導入したほか、群馬県庁でテスト導入が進んでいます。
主に大企業や官公庁向けのサービスのようです。
メリット
・ChatGPTへの情報受け渡しがセキュア
・企業側でアカウントや権限の管理ができる
・グループチャットがあり、複数人での情報共有が可能
・プロンプトエンジニアリング(AIへの指示出し)のテンプレートあり
・企業独自の資料から言語モデルが回答する
デメリット
・料金プランが不透明
・ヘルプデスクなどのサポート体制は特にないようです
機能 | ChatGPTの性能 | 不明 |
OpenAIの学習に利用されないか | 〇 | |
個人情報・機密情報の入力制限機能 | 〇 | |
日本語対応 | 〇 | |
プロンプトサポート機能 | 〇 | |
サポート | × | |
価格 | 初期費用 | 不明(非公開) |
月額基本利用料 | 不明(非公開) | |
ユーザー利用料金/月 | 980円 |
こんな企業におすすめ
・大企業や官公庁
・価格よりも充実した機能を重視
5. Bing Chat Enterprise
公式サイト:https://www.microsoft.com/ja-jp/edge/bing/chat-enterprise?form=MA13FJ
Bing Chat Enterpriseは、マイクロソフト(米)が提供する社内ChatGPTサービスです。
マイクロソフトが、個人向けに提供してきたBing Chatの企業向けプランです。
2023年7月時点では、プレビュー版として以下のマイクロソフトの有料プラン利用者のみに限定されていますが、将来的にはスタンドアローン版が月額5ドルで提供される予定です。
現在はマイクロソフトの以下のプランの利用者限定で、プレビュー版を無料で利用できます。
・Microsoft 365 E3
・Microsoft 365 E5
・Microsoft 365 Business Standard
・Microsoft 365 Business Premium
メリット
・商用データ保護
・Web検索機能が使える(Web状の最新情報にアクセスできる)
・情報ソースを引用元として表示してくれる
・プレビュー版は一部利用者限定で無料で利用できる
デメリット
・2023年7月時点では利用可能な企業が限定される
・ブラウザがMicrosoft Edgeでしか利用できない
・チャットデータ・履歴が保存されないため不便
・プロンプトサポート機能がない
・個人情報の入力検知機能・マスキング機能はない
・ヘルプデスクなどのサポート機能がない
機能 | ChatGPTの性能 | 不明 |
OpenAIの学習に利用されないか | 〇 | |
個人情報・機密情報の入力制限機能 | × | |
日本語対応 | △ | |
プロンプトサポート機能 | × | |
サポート | × | |
価格 | 初期費用 | 無料 |
月額基本利用料 | 無料 | |
ユーザー利用料金/月 | 無料 / 5ドル |
こんな人におすすめ
・マイクロソフトの上記プラン利用者で、手軽に無料で使いたい
(上記プラン利用者以外は、23年7月時点では利用できません)
Bing Chat Enterpriseについては、Bing Chat Enterpriseの解説記事で、詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
【あわせて読みたい】日本企業のChatGPT導入・活用事例
ChatGPTを導入・活用している日本企業の事例については、こちらの記事でどこよりも詳しく紹介していますので、あわせて参考にしてみてください。
まとめ
この記事では、社内ChatGPTサービス導入のメリット・デメリット、選定ポイント、おすすめサービス5選を徹底比較し、紹介してきました。
自社に合った社内ChatGPTサービスを導入し上手く活用することで、業務効率を大幅にアップできるでしょう。
まずは、この記事でご紹介した法人AIクラウドやBing Chat Enterpriseなど無料プランがあるサービスもあるので、無料プランから気軽に試してみるのもよいでしょう。
・「自社に合った社内ChatGPTツールはどれ?」
・「ChatGPT Teamとも比較してみたい・・・」
・「マイクロソフトのCopilot for Microsoft 365とどっちがおすすめ?」
・「社内ルールの策定やリスク対策はどうしたらいい?」
・「社内に生成AIに詳しい人材がいないので、導入手続きが不安・・・」
といった疑問や悩みも「生成AI顧問くん」なら月額10万円~専門家がサポートします!
まずは無料相談してしてみましょう。