ChatGPT・生成AIの導入・活用を検討している企業の方で、
- 「ChatGPT・生成AIの利用にかかるガイドラインは必要?」
- 「ガイドライン(社内ルール)はどのような内容にしたらいい?」
といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
企業によるChatGPT・生成AIの活用にはいくつかのリスクや注意事項があるため、適切な利用のためのガイドライン(社内ルール)を策定する必要があります。
この記事は、企業のChatGPT・生成AI活用にかかる社内ガイドラインに盛り込むべきポイントについて詳しく解説します。
この記事を最後まで読んで、自社の生成AI活用ガイドラインを策定しましょう。
目次
ChatGPT社内ガイドラインはなぜ必要か
ChatGPTをはじめとする生成AIツールは、業務を大幅に効率化する便利なツールですが、利用にあたってのリスクもがいくつかあります。
企業のChatGPT・生成AI利用に伴う主なリスクとして、
- 1.情報漏えいリスク
- 2.ハルシネーションのリスク
- 3.著作権侵害リスク
の3つが挙げられます。
しかし、心配することはありません。
これらのリスクに対して、適切な対策を取ればリスクは大幅に低減することができます。
具体的には、
- 対策1.社内ガイドラインの策定
- 対策2.安全な利用環境を整備する
- 対策3.適切な利用に向けた研修
の3つの対策が有効です。
特に、ChatGPTなど生成AIツールの活用にあたっては、従業員一人ひとりが生成AIツールの正しい用途や使い方を理解して実践することが必要不可欠です。
その意味で、従業員による生成AIの利用ルールを定めるガイドラインの策定は欠かすことができません。
例えば、東京都は都庁全職員に対して生成AIを導入したい際、以下のようなガイドラインを策定しました。
> 東京都「文章生成AI利活用ガイドライン」の策定について
企業においても、生成AI・ChatGPTを導入・活用する際に、生成AI活用のガイドライン(社内ツール)を策定することが一般的になっています。
【あわせて読みたい】企業のChatGPT利用に伴うリスクと対策について
企業のChatGPT利用に伴うリスクと対策に関しては、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
ChatGPTの社内ガイドライン作成のポイント
企業の生成AI活用に関するガイドラインには、どのような内容を盛り込めばいいのでしょうか?。
生成AI活用ガイドラインで定めるべきポイントは主に以下の5つです。
- 1.利用が禁止される用途
- 2.利用可能な生成AIツール
- 3.入力における注意事項
- 4.生成物を利用する際の注意事項
- 5.その他の注意事項
以下で、それぞれ解説します。
1.利用が禁止される用途
特定の業務・用途に関して、生成AIの活用を禁止したい場合があるでしょう。
例えば、M&A、決算、特許、新商品など特に機密性の高い情報を取り扱う業務については、生成AIの活用を禁止した方がよいでしょう。
2.利用可能な生成AIツール
生成AIには、ChatGPT、Google Bard、Stable Diffusionなど多様なサービスがあり、それぞれサービス内容や利用規約などが異なります。
そのため、どの生成AIサービスの活用を許可するのか、あらかじめホワイトリストとして明示するのがよいでしょう。
また、ホワイトリストにない生成AIサービスを利用する場合の申請手順なども定めておきましょう。
3.入力における注意事項
生成AIツールに、入力する際の注意事項について定めます。
入力において特に注意すべき事項は以下の4つです。
- (1)個人情報
- (2)機密情報
- (3)NDAに基づく秘密情報
- (4)他人の著作物
(1)個人情報
ChatGPTは利用規約上、入力データがAIモデルの学習に利用される可能性があるため、社外に情報漏えいするリスクがあります。
そのため、顧客や従業員の氏名・住所・生年月日などの個人情報の入力は禁止にする必要があります。
なお、ChatGPTの法人プラン「ChatGPT Team」、「ChatGPT Enterprise」、OpenAI のAPIなどを活用した社内ChatGPTサービスなどにおいては、入力データは学習されませんが、その場合でも保守的に個人情報の入力は禁止とする企業がほとんです。
(2)機密情報
個人情報と同じく情報漏えいリスクの観点から、自社の機密情報(M&A、財務情報、特許など)についても、生成AIへの入力を禁止するのがよいでしょう。
(3)NDAに基づく秘密情報
同じく情報漏えいリスクの観点から、秘密保持契約(NDA)に基づいて受領した秘密情報についても、生成AIへの入力を禁止するのがよいでしょう。
(4)他人の著作物
第三者が著作権を有するコンテンツ等(文章など)の入力については、入力自体は著作権侵害には該当しませんが、第三者の著作物と同一・類似したものを生成する目的であったり、生成物が著作物と同一・類似している場合においては、著作権侵害に該当する可能性があります。
そのため、第三者の著作物に類似するコンテンツ等の生成につながるようなプロンプトの入力は禁止にする必要があります。
4.生成物を利用する際の注意事項
生成AIによって出力された生成物を利用する際の注意点は次の3つです。
- (1)生成物に誤りがないかのファクトチェック
- (2)著作権侵害がないかのチェック
- (3)生成物を活用する場合は明記
(1)生成物に誤りがないかのファクトチェック
生成AIには、ハルシネーションのリスクがあって、虚偽の情報や存在しない情報を生成してしまうことがあります。
そのため、生成AIの回答を鵜呑みにせずに、その回答の根拠や裏付けなどを自ら確認することが求められます。
(2)著作権侵害がないかのチェック
生成AIから出力された生成物が、第三者の著作物と同一・類似している場合は、著作権侵害に該当する可能性があります。
そのため、特に生成物を配信・公開等する場合には、生成物が著作物に類似しないかの調査を行うことが求められます。
(3)生成物を活用する場合は明記
生成AIによって出力された生成物を対外的に活用したり公開する場合は、生成AIの役割(例:「生成AIにより作成」など)が読み手に伝わるように明記することが好ましいでしょう。
特に、ChatGPTなどのOpenAIのサービスを使った生成物を公開する場合は、「AIを利用して生成」した旨の明記がOpenAIの利用規約上求められています。
5.その他の注意事項
他に注意すべきポイントとして、
- (1)認められた利用環境以外での利用を禁止
- (2)生成AIツールの利用規約を確認
などの内容を、ガイドラインに盛り込むことを検討しましょう。
(1)認められた利用環境以外での利用を禁止
ChatGPTに入力するデータは、AIモデルに学習されて情報漏えいするリスクがあるため、個人向けのChatGPTではなく、ChatGPTの法人プラン「ChatGPT Team」、「ChatGPT Enterprise」、OpenAI のAPIなどを活用した社内ChatGPTサービス、Azure OpenAI Serviceなどを会社で導入して活用ケースも多いでしょう。
そのような場合は、会社が導入した利用環境でのみ利用可能とし、それ以外の環境(ChatGPT個人アカウントなど)での業務利用は禁止にしましょう。
ChatGPTの法人プランなら安全な環境で利用できる
【あわせて読みたい】法人向けプラン「ChatGPT Team」とは?
【あわせて読みたい】大企業向けプラン「ChatGPT Enterprise」とは?
安全かつ便利に利用できるおすすめの「社内ChatGPTサービス」を以下の記事で厳選して紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
もし、会社として上記のような法人向けプラン・社内ChatGPTを導入せずに、各従業員によるChatGPTの個人向けプラン(「無料プラン」又は「ChatGPT Plus」)の利用を許可している場合は、入力データがAIモデルに学習されないようにできる「オプトアウト」の設定を必須にしましょう。
ChatGPTのオプトアウトの設定貞順は,、以下の記事でわかりやすく解説しているので参考にしてみてください。
(2)生成AIツールの利用規約を確認
生成AIの利用にあたっては、社内ガイドラインのほか、利用する生成AIツールの利用規約も確認・遵守することを求める必要があります。
例えば、ChatGPTを利用する場合は、OpenAIの利用規約(Terms & policies)を遵守する必要があります。
OpenAIの利用規約については、必ず把握しておくべき重要なポイント以下の記事でわかりやすく解説しているので参考にしてみてください。
まとめ
この記事は、企業のChatGPT・生成AI活用にかかるガイドライン(社内ルール)に盛り込むべきポイントについて解説しました。
ChatGPTの社内ガイドラインについてまとめると、以下の通りです。
まとめ
生成AI・ChatGPTの社内ガイドラインに盛り込むべきポイントは以下の5つ。
1.利用が禁止される用途
2.利用可能な生成AIツール
3.入力における注意事項
4.生成物を利用する際の注意事項
5.その他の注意事項
この記事を参考に、自社の生成AI活用ガイドライン(社内ルール)を策定しましょう。
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