「ChatGPT Enterprise」とは?大企業向けプランの特徴・料金・ChatGPT Plusとの違いについて徹底解説!
8月29日(現地時間)、米OpenAI社が企業版ChatGPT「ChatGPT Enterprise(チャットGPTエンタープライズ)」をリリースしました。
これまで、ChatGPTを企業が導入・活用するにあたっては、情報セキュリティやプライバシーなどのデータ保護対策が課題となっていましたが、「ChatGPT Enterprise」はこれらのデータ保護対策が行われており、企業が安全に導入・活用することが可能になりました。
この記事は、
「自社でChatGPTの導入・活用を検討している方」
「ChatGPT Enterpriseの導入を検討する企業の方」
向けにChatGPT Enterpriseの特徴、料金、ChatGPT Plusとの違い、サービス申込方法について詳しく解説します。
ChatGPTの導入・活用を検討されている企業の方は、是非参考にしてください。
目次
OpenAIが企業向けプラン「ChatGPT Enterprise」を提供開始
8月29日(現地時間)、米OpenAI社がChatGPTの企業向けプラン「ChatGPT Enterprise」をリリースしました。
セキュリティ面やプライバシー対策などのデータ保護を行うとともに、管理コンソールなどのユーザー管理機能を搭載、従来のChatGPTよりも高速で無制限に使えるなど強力なバージョンとなっています。
既にベイン&カンパニー、PWC、カーライル、Square、Amgen、Shopify、Zendesk、Canva、asana、Robinhood、Zapierなどの大手企業が先行導入しています。
ChatGPT Enterpriseの特徴
ChatGPT Enterpriseは、大企業向けに最適化された企業版のChatGPTでで次の3つの特徴を有しています。
- 特徴1.セキュリティとプライバシー対策
- 特徴2.利用者管理機能を搭載
- 特徴3.もっと速く便利に
以下でそれぞれ解説します。
特徴1.セキュリティとプライバシー対策
これまで企業でのChatGPTの利用で課題となっていたセキュリティ面やプライバシー対策が行われているため、企業も安心して活用することが可能になります。
- 顧客のプロンプトと会社のデータはOpenAIモデルの学習には使用されずデータ保護が徹底されます
- データの保存時も転送時も暗号化される
- SOC 2に準拠
特徴.ユーザー管理機能を搭載
導入企業での利用者管理のために以下の機能が提供されます。
- 管理コンソールによる一括メンバー管理
- SSO(シングルサインオン)
- ドメイン認証
- ユーザーの使用状況の管理のためのダッシュボード
特徴3.もっと速く便利に
これまでのChatGPTよりも高速かつ機能を無制限に利用することができます。
- GPT-4への無制限のアクセス(使用制限なし)
- GPT-4の高速パフォーマンス(最大2倍速)
- 高度なデータ分析(Code Interpreter)への無制限アクセス
- 4倍長い文字入力が可能(32,000トークンのコンテキストウィンドウ)
- チームメンバー間で共有可能なチャットテンプレート
- API使用の無料クレジット
大企業のみ利用可能
明言はされていませんが、現時点では一定規模以上の従業員数を有する大企業に限定したサービスとなっている模様です。
実際、OpenAIは「より小さなチーム向けのセルフサービスのプランを今後提供予定」と発表しています。
申込は問い合わせフォームで行う
2023年8月29日よりサービス提供を開始しています。
利用の申込は、OpenAIの問い合わせフォームより行います。
利用料金は非公開
料金プランは非公開となっています。
使用状況やユースケースによって異なるため、OpenAIへ問合せが必要です。
ChatGPT Enterprise」と「ChatGPT Plus」との比較
大企業向けプラン「ChatGPT Enterprise」と月額20ドルの有料プラン「ChatGPT Plus」の比較結果は下表の通りです。
ChatGPT Enterprise | ChatGPT Plus | |
---|---|---|
対象ユーザー | 大企業向け | 個人契約 |
利用料金 | 非公開 | 20ドル/月 |
データ保護 | 〇 | × |
GPT-4 | ◎高速(通常の約2倍) | ○ |
コンテキストウインドウ | ◎ 32,,000トークン (通常の約4倍) | △ 8000トークン |
API無料クレジット | ○ | × |
高度なデータ分析(Code Interpreter) | ◎ 無制限 | ○ 制限あり |
チャットテンプレートの共有 | ○ | × |
管理コンソール | ○ | × |
SSO | ○ | × |
ドメイン認証 | ○ | × |
利用状況のダッシュボード | ○ | × |
プラグイン | × | ○ |
ベータ機能への早期アクセス | × | ○ |
今後提供予定の機能
今後、以下の機能を提供予定とのことです。
- カスタマイズ
既に使用しているアプリケーションを接続することで自社データを学習させてカスタマイズすることが可能に - すべてのチームサイズに対応
より小さなチーム向けのセルフサービスのプランを提供予定 - パワーツール
高度なデータ分析とブラウジングのさらに強力なバージョン - 職種ごとに最適化されたツール
データアナリスト、マーケター、カスタマーサポートなど、特定の職種に対応したツールを提供予定
【あわせて読みたい】2名~の法人でも利用可能なChatGPT Teamについて解説
2024年1月10日、OpenAIは2名~の小規模な法人でも利用可能な法人プラン「ChatGPT Team」を新たに公開しました。
ChatGPT Teamの特徴・料金・使い方については以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。
【あわせて読みたい】マイクロソフトのBing Chat Enterprise
米マイクロソフトが7月にリリースした企業向けAIチャット「Bing Chat Enterprise」は、「ChatGPT Enterprise」と同じカテゴリーの競合になります。
「ChatGPT Enterprise」は上述の通り、従業員数の多い大企業向けのサービスとなっている一方、「Bing Chat Enterprise」には従業員数の縛りもないため、小規模なチームでも利用可能なサービスです。
「Bing Chat Enterprise」については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
最後に
この記事では、「ChatGPT Enterprise」(チャットGPTエンタープライズ)の特徴、ChatGPT Plusとの比較などについて解説してきました。
ChatGPT Enterpriseは、企業が導入・活用する際の課題であったセキュリティやプライバシーなどのデータ保護対策が行われ、チームコラボレーション機能の搭載に加え従来のChatGPTよりも高速かつ無制限で活用できるなど非常に強力なツールとなっています。
しかし、利用料金が非公開で大企業向けのサービスのため、企業規模などによっては導入できないケースもあることに留意が必要です。
企業が安全にChatGPTを導入・活用するための社内ChatGPTツールは、米マイクロソフトの「Bing Chat Enterprise」など多くのサービスがあるため、自社の企業規模(従業員数)や予算、活用目的に応じて最適なツールを選択するといいでしょう。
以下の記事では、主要な企業版ChatGPTツールを厳選して徹底比較していますので、「どんな社内ChatGPTツールを選んだらいいかわからない!」という方はぜひ参考にしてみてください。
「ChatGPTマガジン」を運営するゴートマン合同会社は、
・生成AIの導入支援
・生成AIを活用した業務効率化支援
・企業ごとにカスタマイズしたプロンプト作成代行
・生成AIを活用したサービス開発
など大企業から中小企業まで幅広くご支援しています。
まずは無料相談してしてみましょう。