【完全版】保険業界のChatGPT活用方法10選と活用事例10選を徹底解説!

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【完全版】保険業界のChatGPT活用方法10選と活用事例10選を徹底解説!

ChatGPTを導入して業務に積極的に活用する日本企業が急速に増えています。
例えば、パナソニックやNEC、日清食品などのメーカー、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行などのメガバンク、伊藤忠商事などの総合商社、鹿島などの建設業界など多岐に渡る業界でChatGPTの活用が進んでいます。

保険業界(生命保険会社・損害保険会社・保険代理店)もその例外ではありません。

本記事では、保険業界に従事していてChatGPTの導入・活用に興味のある方に向けて、
「保険業界においてどのような業務でChatGPTを活用したらいいのか」
「保険業界でのChatGPT活用の実例」
について詳しく解説します。

保険業界におけるChatGPT活用の参考になれば幸いです。


保険業界で効果的なChatGPT活用方法10選

専門性や個別性の高い保険業務ですが、ChatGPTを上手に活用することで大幅に業務効率化や売上アップを実現することが可能です。

保険業界において大きな効果が期待できるChatGPT活用方法10選を以下で詳しく解説します。

  • 活用方法1.保険相談
  • 活用方法2.お問い合わせ対応
  • 活用方法3.保険金請求
  • 活用方法4.面談・来店予約
  • 活用方法5.保険募集人アシスタントツール
  • 活用方法6.ブログ記事作成
  • 活用方法7.メルマガ作成
  • 活用方法8.顧客宛メール作成
  • 活用方法9.新人教育・研修
  • 活用方法10.保険法令解説

活用方法1.保険相談

お客様からの保険や資産形成などお金全般に関する相談に対して、24時間365日、AIが自動で回答することにより、顧客体験を向上することができます。

ChatGPTを活用することで、お客様の「漠然」とした疑問や悩みを会話形式で相談することが可能になり、まるで人に相談しているかようのような顧客体験を提供することが可能になります。

通常のChatGPTのままでは回答精度は期待できませんが、保険や資産形成などに関する知識・情報を独自に学習させることで、高い精度の応答を実現することが可能です。


活用方法2.お問い合わせ対応

お客様からの保険や住所変更などの事務手続きなどに関するお問い合わせを、AIがチャット形式で24時間365日受付・回答することが可能になります。

これにより、顧客体験の向上とお問い合わせ対応業務の削減を実現できます。
また、AIをコールセンターの問合せ対応業務に活用することも可能です。


活用方法3.保険金請求

一部の損害保険や少短において、AIチャットの形式で手軽でカンタンに保険金請求を行うことが可能です。

保険金請求を行うにあたっては、保険会社に電話したり請求書類への記入など煩雑な手続きが必要なことが多いですが、ChatGPTを活用したAIチャットボットを構築することで、お客様は24時間365日保険金の請求を対話形式で簡単に行うことができるため、顧客体験の向上を実現できます。


活用方法4.面談・来店予約

お客様からの保険相談や来店予約をAIチャット形式で24時間365日自動化することができます。

これにより、顧客は手軽に会話形式のチャットで面談・来店の予約を行うことができ、面談・来店予約率の向上が期待できます。


活用方法5.保険募集人アシスタントツール

保険募集やコンサルティングを行うにあたっては、社会保険制度や保険商品などに関する広範で専門的な知識・情報が求められますが、募集人がそれらの知識・情報を調査・検索する手段として、ChatGPTを活用したAIチャットボットが期待されます。

証券業界では、米Morgan Stanleyが富裕層向けアドバイザーのアシスタントツールとして、ChatGPTを活用したAIチャットボットを開発した事例があります。
このAIチャットボットを活用することで、富裕層向けアドバイザーは自社に蓄積した膨大なナレッジデータベースの中から顧客向けアドバイスの参考になる情報を即座に取得することが可能になりました。

参考記事:Morgan Stanley to launch AI chatbot to woo wealthy


活用方法6.ブログ記事作成

オウンドメディアや自社ブログを運営している場合、ChatGPTを活用することでブログ・記事の作成時間を大幅に削減することが可能です。

ChatGPTに作成したいブログ記事のテーマやキーワードを指示することで、SEOに強いブログ記事の構成案の提案や本文の文章作成、読まれやすいタイトル案の提案、人が作成したブログ記事の校正まで行えるのでブログ記事の作成を効率化することが可能です。


活用方法7.メルマガ作成

お客様へのメルマガ配信を行っている場合は、ChatGPTを活用してメルマガのテーマのアイデアを考えたり、メルマガの文章作成校正を行うことが可能です。

ChatGPTを活用してメルマガ作成の改善を行ったところクリック率が大幅に改善した事例もあり、工数削減だけでなく、メルマガの品質向上にも効果があります。

ChatGPTを使ってメルマガを作成する方法やプロンプトについては以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。


活用方法8.顧客宛メール作成

保険営業に従事されている方は、保険契約を検討中のお客様や既存のお客様向けにフォローアップのメールを送ることも多いのではないでしょうか。

ChatGPTを活用することで、テンプレ通りのメールではなく、お客様の状況などに応じたメールを簡単に自動作成することも可能です。

ChatGPTを使ってお客様宛のメールを作成する方法やプロンプトについては以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。


活用方法9.新人教育・研修

ChatGPTを保険会社や保険代理店の新人教育や研修に活用することも可能です。

保険業務には幅広く専門的な知識が求められますが、保険に関する専門知識・ナレッジを学習させたAIを活用することで、保険会社・代理店の職員は業務の中で生じる疑問や不明点をAIに質問して自己解決することが可能になります。


活用方法10.保険法令解説

保険業法や諸規則・各種ガイドラインなどをChatGPTに学習させてカスタマイズすることで、保険業務を行う中で生じる保険に関する法令・根拠条文を確認したい際に、ChatGPTに質問することで法的な問題の有無や根拠条文などおおよその参考的な確認を行うことが可能になります。


保険業界でChatGPTを活用するメリット

保険業界でChatGPTを活用することで、業務効率化による生産性向上(売上アップ)や顧客体験の向上が期待できます。

  • メリット1.業務効率化による生産性向上
  • メリット2.顧客体験の向上

メリット1.業務効率化による生産性向上

保険業界は、非常に専門性が高く個別性の高い業務が多いため、デジタル化が遅れアナログの作業が多く残っています。

これまで多くの時間をかけていたアナログの作業をChatGPTを活用してデジタル化することで、業務効率化によるコスト削減とともに、浮いた時間をより付加価値の高い活動に使うことで売上アップや生産性の向上につなげることが期待できます。


メリット2.顧客体験の向上

保険相談やお問い合わせ、保険金請求などにChatGPTを活用することで、24時間365日の対応が可能になり顧客体験の向上につながります。

また、保険に関する疑問や悩みがあっても、保険のプロに相談すると押し売りされることが心配で、なかなか相談に踏み出せない人も多くいます。
ChatGPTを活用したAIなら、押し売りされる心配もせずに気軽に相談することが可能になります。

まずはAIに気軽に相談した後に、より詳しく個別に相談したくなったお客様向けには自社の営業職員への相談・面談設定の導線を設置することで、新規顧客との商談数をアップすることができるでしょう。


保険業界でのChatGPT活用における留意点

保険業界でのChatGPTを活用には留意すべきポイントもあります。

  • 留意点1.誤った情報を生成する可能性がある
  • 留意点2.データが古い(2022年1月まで)
  • 留意点3.顧客情報・個人情報や機密情報は入力しない

留意点1.誤った情報を生成する可能性がある

ChatGPTは非常に強力で便利なツールですが、「完璧」ではありません。
ときには誤った情報や回答を行うことがあります。

従って、ChatGPTを業務で活用する場合は、回答をそのまま鵜呑みにせずに、必ず人手による精査(ファクトチェック)を行うようにしましょう。


留意点2.データが古い(2022年1月まで)

ChatGPTは2022年1月までのインターネット上の情報を学習したAIモデルのため、2022年1月以降の最新情報は把握していません。
そのため、2022年1月以降の最新情報の調査などではChatGPTを活用せずに、自ら信頼のおける情報源等で確認するようにしましょう。

そもそも、ChatGPTは「文章・コードの生成やチェック」や「データの分析」などを得意としており、情報の「検索」には不向きです。
ChatGPTを活用するにあたっては、これらの特性を踏まえ適切に活用することが重要です。


留意点3.顧客情報・個人情報や機密情報は入力しない

ChatGPTに入力する情報は、ChatGPTを開発するOpenAI社のAIモデルの学習に活用される可能性があることがChatGPTの利用規約に明記されています。

つまり、ChatGPTに入力した顧客情報・個人情報や自社の機密情報などがAIモデルの学習の結果、第三者に漏えいしてしまうリスクがあるのです。

したがって、ChatGPTを利用する作成する際には、ChatGPT(プロンプト)に顧客情報(取引先名など)、個人情報(担当者の名前など)、機密情報(顧客との詳細な取引内容など)は絶対に入力しないようにしましょう。

保険業界でのChatGPT活用事例10選

保険業界でChatGPTを実際に活用する事例をご紹介します。

  • 事例1.東京海上日動火災保険
  • 事例2.損害保険ジャパン
  • 事例3.三井住友海上火災保険
  • 事例4.あいおいニッセイ同和損害保険
  • 事例5.明治安田生命保険
  • 事例6.住友生命保険
  • 事例7.朝日生命保険
  • 事例8.楽天生命保険
  • 事例9.ライフネットみらい
  • 事例10.保険相談特化型AI「ほけんGAI」

事例1.東京海上日動火災保険

東京海上日動火災保険は、対話型AI「チャットGPT」を活用した独自システムを導入すると発表しました。このシステムは保険の補償内容や手続きなどの照会に対する回答案を自動生成します。6月から試験運用を開始する予定です。この導入により、顧客からの問い合わせに対する迅速な対応や、業務効率化が期待されています。

参考:東京海上が「チャットGPT」活用、保険手続き照会に回答案を自動生成…6月から試験運用


事例2.損害保険ジャパン

損害保険ジャパンは、2023年1月からDX推進部開発推進グループでプログラミングの支援にChatGPTを活用しています。生産性向上を実感しており、今後数カ月以内に、約款の要約など営業分野の社員にも利用を広げる方針です。これにより、業務効率化と生産性向上が期待されています。

参考:3メガ銀と損保大手が「ChatGPT」への慎重姿勢を一転、導入に意欲をみせる理由


事例3.三井住友海上火災保険

三井住友海上火災保険は、NECおよびアクセンチュアと連携し、ChatGPTを活用した事故対応サービスの品質向上と社内や保険代理店からの照会対応業務の効率化の取り組みを開始しました。
この取り組みでは、外部利用を防止し情報セキュリティを確保するために「Azure OpenAI Service」を使用するとのことです。
また、グループ会社でもあいおいニッセイ同和損害保険株式会社でも、業務効率化の取り組みが開始され、グループ全体でのノウハウ蓄積が進められる予定です。

対話型AIの構築には、損害保険業務の知識や業務マニュアルや関連法令、参考文献、対応ノウハウなどを基にしたAIモデルの学習やチューニングを行い、同社に最適なAIモデルを構築する計画です。

参考:対話型AIを活用した事故対応サービスの品質向上取組を開始


事例4.あいおいニッセイ同和損害保険

あいおいニッセイ同和損害保険はMicrosoftのRPAツール「Power Automate Desktop(PAD)」を全社員に導入し、OpenAIのGPT-4を組み込んだ「Bing」のチャット機能も活用して、PADのスクリプト生成に関する研究を開始しました。2週間後の3月13日には、333人が自動化の開発に取り組み、44人が独力で開発を完了させ、73件のフローが稼働。あいおいニッセイの目的は、社員が個人単位で業務改善を行うことです。社員の効率化のニーズに合わせ、PADを利用したRPAの導入や教育、そしてGPT-4を活用したチャット機能が主要な取り組みとして挙げられます。

参考:あいおいニッセイがRPAで業務改善、GPT-4を組み込んだ対話型AIの成果とは


事例5.明治安田生命保険

明治安田生命保険は、業務効率化・高度化を目指し、マイクロソフトのAIサービス「Azure OpenAI Service」の「ChatGPT」を社内業務に活用する実証実験を開始しました。情報収集や資料作成、プログラミングのサポートなどの分野での活用を進めています。また、AIを安心・安全に活用できる環境やルールの体制整備も進めています。情報が外部に漏れない独自のセキュアな環境で実施しています。

参考:明治安田生命、社内業務やアイデア創出で「ChatGPT」活用する実証実験を開始


事例6.住友生命保険

住友生命保険は、生成系AIチャットシステム「Sumisei AI Chat Assistant」を7月18日から本社及びグループ会社の職員約1万人に導入する予定です。

本システムは、日常業務の生産性向上と、顧客向けサービスの更なる発展に活用される計画です。
このプロジェクトは、住友生命が人々の健康と幸福に寄与するサービスを提供し、新しい価値創造に積極的に取り組む方針の一環となるとの考えを示しました。

参考:生成系 AI を活用した新たな顧客価値創造や生産性向上の取組み


事例7.朝日生命保険

朝日生命保険は、子会社の株式会社インフォテクノ朝日と協力会社の株式会社クレスコと共同で、Azure Open AIの大規模言語モデルをベースにした独自のAIチャットボットを開発し、2023年6月より社内業務での利用を開始いたしました。

厳格なセキュリティ基準で運用され、情報収集や社内資料作成など一部の業務で使用されます。
今後、マニュアルや規定をAIに学習させ、社内の照会に対して自動回答するシステムを構築し、業務の効率化・高度化を図る方針です。

参考:「ChatGPT」をベースとしたAIチャットボットの社内利用開始


事例8.楽天生命保険

楽天生命保険は、代理店向けの専用端末にOpenAI社が提供する「ChatGPT API」を導入しました。
代理店の営業活動と事務作業の効率化を図るため、AIアシスタントARIAに対話形式のサポートツール「ChatGPT API」を連携させることで、24時間365日、営業活動時の留意点や話題提供など行い、代理店の課題解決や営業活動の促進を図る狙いです。

「ChatGPT API」導入にあたっては、セキュリティ面を考慮しMicrosoft Azure上の Azure OpenAI Serviceを利用していています。

参考:楽天生命、生成AIを活用して対話形式の代理店アシスト機能を実現


事例9.ライフネットみらい

ライフネットみらいは、保険選びサイト「ベターチョイス」で、業界初となるChatGPTを活用したLINEチャットサービス「ベターチョイスチャットくん」を開始しました。このサービスは、お客さまからの質問に対し、自社監修のコラム記事を用いて自動で回答します。保険やお金に関する質問に対し、24時間自動でChatGPTによる自然言語処理が行われ、ベターチョイスコラムの内容を基に作成された回答を返します。これにより、気軽に保険やお金について質問できる環境が実現しました。

参考:保険選びサイト「ベターチョイス」を運営するライフネットみらい、業界初、ChatGPTのAPIを活用したLINEチャットサービス「ベターチョイスチャットくん」を開始


事例10.保険相談特化型AI「ほけんGAI」

株式会社ビヘイビアが生成AI「ChatGPT」技術を活用し、保険相談専門の会話AI「ほけんGAI」のサービスを開始しました。
このAIは生命保険、損害保険、法人保険などの相談に24時間365日、約20秒以内で回答できます。現在、多くの人々が適切な保険の選択に悩んでおり、ほけんGAIはこの問題を解消するために生まれました。
さらに、無料で人間の保険アドバイザーともオンライン相談が可能です。
近い将来、AIの回答に対する詳細なアシスト機能も提供予定です。

参考:日本初の保険相談特化型・会話AI「ほけんGAI」サービス開始。ChatGPT技術を応用した無料保険相談AIチャットをLINEから気軽に(旧称: ほけんGPT)

【あわせて読みたい】日本企業の導入・活用事例

ChatGPTは多くの業界で活用されています。
日本企業におけるChatGPTの導入・活用事例は以下の記事をご参考にしてください。


最後に

本記事は、保険業界におけるChatGPTの活用方法や実際の活用事例について詳しく解説しました。

専門性や個別性が高くDXが進みづらい保険業界ですが、ChatGPTを上手に活用することでデジタル化による業務効率化と顧客体験の向上につながることが確認できたかと思います。

ChatGPTを活用したDX推進で、業務効率化と顧客体験の向上を実現しましょう。

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