【事例付き】ChatGPTを活用して新規事業案を「SWOT分析」する方法とプロンプトを解説!

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【事例付き】ChatGPTを活用して新規事業案を「SWOT分析」する方法とプロンプトを解説!

新規事業の検討や事業戦略の立案・分析において、よく活用されるフレームワークとして「SWOT分析」があります。

SWOT分析とは、事業を内部環境のStrength(強み)、Weakness(弱み)、外部環境のOpportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの要因で分析する手法で、3C分析やPEST分析などと並んで有名なフレームワークです。

SWOT分析を行うのは、事業の内部環境や外部環境に影響する情報を調査したり分析するのに非常に手間と時間がかかりますし、一人で作業していると考えが煮詰まって思考の幅が狭まったり重要点を見落としてしまったりすることもあります。

そんな「SWOT分析」も、ChatGPTを活用することで自分ひとりでは気づかなかったような新しいアイデア、着眼点や課題を発見して分析に幅や深みが出たり、分析作業を効率化して時間を節約することができます。

この記事では、ChatGPTを活用してSWOT分析を行う方法と具体的なプロンプトを解説します。
実際に検討した新規事業案3つをもとに、ChatGPTでSWOT分析を行います。

経営企画・事業企画や事業開発などに従事する方はぜひ参考にしてみてください。


ChatGPTを活用して新規事業案のSWOT分析を行う方法とプロンプト

ChatGPTを使って、「SWOT分析」を行う方法とプロンプトを、実際に検討した新規事業案3つをもとに解説します。

  • SWOT分析を行う方法とプロンプト(3つの事例)
  • ChatGPTを活用してSWOT分析を行うコツ

「SWOT分析」を含む事業戦略立案やマーケティング戦略立案に役立つ7つのフレームワークをChatGPTを活用して作成する方法と具体的なプロンプト(コピペ可)については、以下の記事もぜひ参考にしてください。

SWOT分析を行う方法とプロンプト(3つの事例)

過去に実際検討した新規事業について、ChatGPTを活用してSWOT分析を行った方法とプロンプトを3つの事例つきで詳しく解説します。

以下のプロンプトの「#新規事業案」の箇所を自社で検討する新規事業案に変更することで、自社の新規事業案をSWOT分析できるので、ぜひ試してみてください。

では、以下3つの事例をもとに解説します。

事例1.「IFA業界に特化したCRMツール」事業の「SWOT分析」

SalesforceやHubspotなどの汎用的なCRMが有名ですが、不動産業界特化型とか保険業界特化型などの業界特化型のCRMツールがいくつもあることから着想を得て、最近注目度が高まっていて市場も成長しているIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)業界に特化したCRMツールの新規事業案です。

この新規事業案のSWOT分析を行ったプロンプトとChatGPTの出力結果は以下の通りです。

▼事例1のSWOT分析を行うプロンプト

あなたは戦略コンサルティングファームでトップのパートナーコンサルタントです。
以下の内容を忠実に守って、新規事業案に関する最高のSWOT分析を行ってください。

#新規事業案
・コンセプト:IFA業界に特化したSFA/CRMツールをSaaS提供
・提供価値:FAの業務に特化したマーケティング活動・営業活動や顧客情報をワンストップで管理する。
・ターゲット顧客:IFA 会社
・マネタイズ:初期費用と月額利用料

#制約条件
・ファクトベースで定量的に分析してください。
・新たな気づきやアイデアが生まれるような分析を行ってください。

#出力結果
・Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)のそれぞれで最低3つ以上の要素とその理由を出力してください。
・SWOT分析の結果を踏まえて、新規事業に関する分析・考察結果やクリアすべき課題を教えてください。
・新規事業案を100点満点で評価して、減点要因をその理由もあわせて説明してください。

▼事例1のChatGPTの出力結果がこちら。

ChatGPTを活用してSWOT分析を行った悔過(事例1)

ちゃんと新規事業案の内容を正しく理解して、それに関する要因を概ね正しく指摘してくれています。
もちろん、この結果だけで終えずに自分でも調査・分析する必要がありますが、一瞬でこのレベルの分析をしてくれるのは驚きです。
余談ですが、同じようなIFAに特化したサービスが1つあるみたいでした。


事例2.「中小企業オーナーとM&A仲介会社のマッチングサイト」事業の「SWOT分析」

2つ目は、中小企業のM&A・事業承継の件数やM&A仲介会社の市場が大きく成長していることから、M&Aを検討する中小企業オーナー(経営者)とM&A仲介会社をWEBで集客してマッチングするいわゆるリボンモデルの新規事業案です。

この新規事業案のSWOT分析を行ったプロンプトとChatGPTの出力結果は以下の通りです。

▼事例2のSWOT分析を行うプロンプト

あなたは戦略コンサルティングファームでトップのパートナーコンサルタントです。
以下の内容を忠実に守って、新規事業案に関する最高のSWOT分析を行ってください。

#新規事業案
・コンセプト:M&Aで自社を売却したい中小企業オーナーと最適なM&A仲介会社のマッチングサービス
・提供価値:M&Aで自社を売却したい中小企業オーナーにとって最適なM&A仲介会社の発見
・ターゲット顧客:M&Aで自社を売却したい中小企業オーナーとM&A仲介会社
・マネタイズ:M&Aで自社を売却したい中小企業オーナーをM&A仲介会社に紹介した自伝で紹介手数料をM&A仲介会社から得る。

#制約条件
・ファクトベースで定量的に分析してください。
・新たな気づきやアイデアが生まれるような分析を行ってください。

#出力結果
・Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)のそれぞれで最低3つ以上の要素とその理由を出力してください。
・SWOT分析の結果を踏まえて、新規事業に関する分析・考察結果やクリアすべき課題を教えてください。
・新規事業案を100点満点で評価して、減点要因をその理由もあわせて説明してください。

▼事例2のChatGPTの出力結果がこちら。

ChatGPTを活用してSWOT分析を行った悔過(事例2)

これも十分満足いく分析が出来ています。「中小企業オーナーにとって最適な仲介会社を見つけることは困難」とか「成功されれば模倣されやすいビジネスモデル」など非常に的を得た分析です。
この分析の後に調べてみたところ、この新規事業案のようなサービスはここ1~2年の間でいくつか誕生していました。


事例3.「中古車ディーラー業界に特化したワークフローシステム」事業の「SWOT分析」

ビッグモーター事件などで話題の中古車ディーラー業界ですが、市場が大きいものの中古車管理・顧客管理や一連のワークフローがアナログな印象があり、これらの管理がクラウドで一元化されれば業務も効率化もされ顧客サービスも向上するのではないか、という発想から中古車ディーラー業界に特化したワークフローシステムの新規事業案です。

この新規事業案のSWOT分析を行ったプロンプトとChatGPTの出力結果は以下の通りです。

事例3のSWOT分析を行うプロンプト

あなたは戦略コンサルティングファームでトップのパートナーコンサルタントです。 以下の内容を忠実に守って、新規事業案に関する最高のSWOT分析を行ってください。

#新規事業案
・コンセプト:中古車ディーラー業界に特化したワークフロー管理システムをSaaS提供
・提供価値:中古車ディーラーの中古車販売業務の一連のワークフローをクラウドシステムで一元管理する。
・ターゲット顧客:全国の中古車ディーラー
・マネタイズ:初期費用と月額利用料

#制約条件
・ファクトベースで定量的に分析してください。
・新たな気づきやアイデアが生まれるような分析を行ってください。

#出力結果
・Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)のそれぞれで最低3つ以上の要素とその理由を出力してください。
・SWOT分析の結果を踏まえて、新規事業に関する分析・考察結果やクリアすべき課題を教えてください。
・新規事業案を100点満点で評価して、減点要因をその理由もあわせて説明してください。

▼事例3のChatGPTの出力結果がこちら。

ChatGPTを活用してSWOT分析を行った悔過(事例3)

「中古車ディーラー業界のニーズに合った高度な機能を開発するには、深い業界知識が必要」、「各ディーラーが独自のワークフローを持つ可能性があり、それに対応するための高度なカスタマイズが求められる」など、中古車ディーラー業界に関する知見があるかのような鋭い分析です。
ちなみに調べてみたところ、この新規事業案のようなサービスを某上場企業が提供していました。

以上のようにSWOT分析にChatGPTが十分使えることがわかったと思います。もちろん、ChatGPTの分析だけで終わらさずに、自ら調査・分析して補助的にChatGPTを活用する姿勢が重要です。

ChatGPTを活用してSWOT分析を行うコツ

上記ではSWOT分析を行う方法とプロンプトを解説しましたが、ChatGPTを活用してSWOT分析を行うコツを以下の2つ解説します。

  • コツ1.プロンプトにできるだけ具体的な情報を入力する
  • コツ2.1回の出力結果で終わらさずに対話を繰り返して分析を深掘りする

コツ1.プロンプトにできるだけ具体的な情報を入力する

検討する新規事業に関する情報をできるだけ多く、わかりやすく簡潔に入力するようにしましょう。

具体的な情報が入力されていない場合、ChatGPTが勝手に創作したり誤解して誤った情報を生成してしまうことがありますし、具体的な情報を入れた方が分析の精度が高まります。

具体的な情報を記載する際のコツとしては、だらだらと文章で書くよりは、簡潔な文章で箇条書きで記載する方がChatGPTが情報を正しく認識しやすいです。

ただし、ChatGPTは入力された情報を学習して第三者に漏えいしてしまうリスクがあるため、入力する情報は公開情報に限定するようにしましょう。

コツ2.1回の出力結果で終わらさずに対話を繰り返して分析を深掘りする

ChatGPTは、入力情報を誤って認識したり不足情報を補って誤った分析をしてしまうことがあるので、その場合は認識が誤っている点をChatGPTにフィードバックするようにしましょう。
ChatGPTはフィードバックの情報をもとに、その点を修正してSWOT分析をやり直してくれます。

ChatGPTからの1回の出力結果だけで終えずに、出力結果をもとにChatGPTと対話することでより深く精度の高いSWOT分析を行うことができます。

ChatGPTを活用してSWOT分析を行うメリット

SWOT分析ににChatGPTを活用するメリットは次の2つがあります。

  • メリット1.アイデア出しやブレスト相手になってくれる
  • メリット2.SWOT分析を効率化して時間を削減できる

メリット1.アイデア出しやブレスト相手になってくれる

SWOT分析を一人で行っていると、思考が偏ったり硬直化してしまい、新しい着眼点や気づきを発見しづらくなったり、重要なポイントを見落としてしまったりすることがあります。
そんな時は、一人で考え続けずに同僚や上司とブレストしてみたら、新しい発見があった、なんていう経験をした方も多いのではないでしょうか。。

ChatGPTは、同僚や上司の代わりにあなたの良き相談相手・ブレスト相手になってくれます。

ChatGPTを相手に新規事業案について対話を行うことで、自分一人では気づかなかった新しい視点や切り口を発見することができるでしょう


メリット2.SWOT分析を効率化して時間を削減できる

SWOT分析を行っていると、事業に影響する内部環境や外部環境の多くの要因・情報を調査・分析する必要があるため、多くの手間と時間がかかります。

そんなSWOT分析の作業も、ChatGPTを活用することでChatGPTが一瞬で作成してくれるので、作業を効率化して時間を削減することができるでしょう。

もちろん、全ての分析をChatGPT任せにするのではなく、ChatGPTに出力させた結果をもとにChatGPTと対話を繰り返しで分析を深めたり、自ら1次ソースの情報源を調査するなどして自らも調査・分析することが重要です。


ChatGPTを活用してSWOT分析を行う際の留意点

SWOT分析にChatGPTを活用するのはメリットもありますが、留意すべきポイントもあります。

  • 留意点1.誤った情報を作成することがある
  • 留意点2.2021年9月までのデータしか認識していない
  • 留意点3.顧客情報・個人情報や機密情報は入力しない

留意点1.誤った情報を作成することがある

ChatGPTはときには、入力した情報を誤って認識したり、誤った情報・内容を創作してしまうことがあります。

上述の「プロンプトのコツ」でも解説した通り出来るだけ具体的な情報をわかりやすくプロンプトに含めることで、ChatGPTが誤った情報を創作してしまうリスクを軽減できますが、その可能性を「ゼロ」にすることはできません。

したがって、ChatGPTの出力結果を鵜呑みにせずに、「出力内容に誤りがないか」、「誤った認識をしていないか」など必ず自分の目で確認するようにしましょう


留意点2.2021年9月までのデータしか認識していない

ChatGPTは2021年9月までのインターネット上の情報を学習したAIモデルのため、2021年9月以降の最新情報を認識していません。

そのため、SWOT分析の外部環境要因に影響を与えるような2021年以降の情報・トレンドは考慮できない点を認識した上で活用する必要があります。

外部環境に影響を与えるような最新の情報やトレンドについては、自ら調査・確認するようにしましょう。


留意点3.顧客情報・個人情報や機密情報は入力しない

ChatGPTに入力する情報は、ChatGPTを開発するOpenAI社のAIモデルの学習に活用される可能性があることがChatGPTの利用規約に明記されています。

つまり、ChatGPTに入力した顧客情報・個人情報や自社の機密情報などがAIモデルの学習の結果、第三者に漏えいしてしまうリスクがあるのです。

したがって、ChatGPT(プロンプト)には顧客情報、個人情報、自社の機密情報は絶対に入力しないようにしましょう


最後に

この記事は、ChatGPTを活用して「SWOT分析」を行う方法を3つの新規事業案の事例をもとに具体的なプロンプトつきで解説しました。

事業戦略の立案・分析や新規事業開発などに従事する方は、新規事業のSWOT分析にChatGPTを活用してみてください。

ChatGPTを活用して、SWOT分析のクオリティ向上と作業の効率化を実現しましょう。

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